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7. 温暖化と野生生物 2008

 昨年に増して、温暖化に関わるニュースが頻繁に報道されています。HOGAが配布していたCDには2000年頃から<あんてな「人」主原憲司氏 地球温暖化 芦生より発信>という記事を書き綴ってきました。
 今では早春から真夏日やヒートアイランド現象が見られ、生き物たちの世界にも随所で顕著な変化が現れていることは皆さんご存知の通りです。
 ヒマラヤの氷河の衰退や極地の解氷がわずかに議論された頃、目に見えないスピードで変化が起こっていたのだとふと思い起こしています。

 冬季に降雪が少ないと、ニホンジカの餌となる草本やクマザサには冠雪しません。するとシカは食料に困らないので死亡率が減少し、子どものシカの死亡も少なくなりました。子供のシカは成長し、やがて成獣となりメスは出産します。現在狩猟の法律ではメスは保護の対象となっていて、増え続けました。10年近く暖かな冬が続いたので、北海道や高地帯でも個体数を増やす結果になり、各地で農作物への大きな被害が出ています。

 今から30年前まで、京都北部に連なる「北山」と呼ばれる地域や、福井県、滋賀県の山並みと接する「京都大学芦生(あしゅう)演習林」近辺は、登山する人もわずかな地でした。車が通れる林道も少なく、藪漕ぎ(泳ぐように手を動かして進む事)を余儀なくされるほど、クマザサに覆われていました。人がいてもクマがいても、人の背丈よりも深いクマザサは視界をさえぎり、行く手を見失うほどでした。ですから冬季の狩猟期間中には、クマやイノシシ、シカと見誤って藪に誤発射して、人身事故が年に数回も報道されるくらいでした。今では林床を埋め尽くすほどのクマザサはニホンジカに食べつくされ、地表30cmの高さにまるでバリカンで刈り上げたかのようです。

 降雪量が減少したことで、ホンシュウジカに限らず、ニホンイノシシ、ニホンザルも増えています。ワナ猟をする人達の意見では、温暖化ばかりでなく狩猟する人の減少もあり、ツキノワグマも個体数が増えていると話しています。

温暖化と呼ばれる気温の上昇で、カシノナガキクイムシによる食外を受け、枯れてしまう樹が増えています。さらに樹勢が弱まってしまったブナ科の樹木は、ドングリをつけない樹も見受けられます。地表に落ちたわずかなドングリを集めると、昆虫の産卵が増えたせいか、発芽する事もできません。

 まるで生き残ったかのような種子が、やっと芽を出します。しかし発芽しても新芽は苗になるかならないかの間に、春の芽吹きを食べるニホンジカにきれいに食べられてしまいます。「京都大学芦生(あしゅう)演習林」の林床は、雨が降ると表土が流れ、ガレ場のように小石がむき出しになっています。本当にこのままで良いのでしょうか!

 自然界で動物が増えすぎて食べる物が無くなった時には、いつか個体数が減少すると言われています。しかしお腹が減った野生動物は、食べ物を求めて田畑のある集落へと降りてきているのが獣害の実情です。滋賀県湖北地域では、ニホンザルはシイタケの「どんこ」をかじり、抜いた大根を抱えたまま立って走って逃げます。またキツネとニホンザルは、収穫の日の前日頃になると、「今こそ食べ頃」とトウモロコシのおいしいところだけを根こそぎ食べ散らかしてしまいます。ニホンジカとイノシシも米や野菜など田畑の作物を食べ荒らし、カラスは果実などに次々と穴を開けています。カラスは喉が渇くとスイカに穴を開けるのだと農家の方が話されていました。

 海外から輸入される食品の安全性の問題や温暖化や気候の変動による不作が問題視されています。日本の食料自給率は、確か36%程度と記憶しています。高齢化や農業人口の減少が懸念される中で、大きな地震や水害など災害が続いています。食品の輸入により国内の農業収入を圧迫し、農業離れに拍車をかけています。今こそ自然との調和を考え、様々な対処をすべきではないのでしょうか?
2008.10.22 HOGA 保賀 昭雄
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