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ブルーギル・ブラックバス・カムルチー 「外来魚を食べよう!」


 特定外来種に指定され、生きたままの移動も処罰されるブルーギル・ブラックバス(オオクチバス)と、カムルチー(日本では「雷魚」、英語では“snake head”と呼ばれる)を動物や自然科学に詳しい人たちと食べることになりました。
そこで滋賀県立琵琶湖博物館の学芸員である中井 克樹さんに3種の魚を入手していただくようお願いいたしました。

 試食会の日にあわせ、中井さんには外来魚駆除をされる漁師さんにお願いしていただき、魚を運んでいただきました。クーラーにはたくさんの氷が入れられ、魚体40cmクラスのブラックバスが3匹と、10cm~13cmほどのブルーギルが約40匹入っていました。氷をたくさん入れて運ばないと、ブルーギルやブラックバスは傷みが進むと、さらに強烈な生臭さを放つからということでした。
またクーラーの中にはナイロンの袋に入れられた直径約7cm、体長は60cmもある雷魚:カムルチーが冷却されて運ばれてきました。

中井さんと午後2時半頃から調理の為の下ごしらえを始めました。
今回は計44匹と魚の数が多く、魚体も大きかった事から、調理に約5時間かかりました。
以下に外来魚の料理法をご紹介します。

中井さんによると、ヌメリの成分であるタンパク質をしっかり取り去らないと、ブラックバスとブルーギルは生臭くて食べられないそうです。
生臭さの元は鱗の下にあり、包丁で鱗とりをすると、魚自体が生臭いままになってしまいます。

普通、日本の淡水魚や海水魚を料理する場合、ヌメリや生臭さを取るなら、塩をつかんでこすってやれば落ちます。しかしブルーギル・ブラックバスは鱗の下にぬめり・生臭さを持っていますので、塩でこするだけでは太刀打ちできません!!強烈な匂いが残ったままです。


ここで中井さんの特別講義です!

 下処理について 
  1. 大きめのやかんで熱湯を沸かし、魚体の裏表に熱湯をかけます。→生臭さを取り除きます。
    するとヒレの表面や鱗の間のタンパク質が、少し白っぽく固まります。
    水で流しながら鱗を逆なですると、指先で鱗をむしりとるように取り去る事ができます。
    あまり力を入れて作業をすると、ヒレの尖った針に指を刺して大出血となります。
    ブルーギルとブラックバスの背びれ、胸びれ、腹びれ、尻びれの先端部は、簡単に指に刺さるほどしっかりした針状に尖っていますから、うっかり刺してしまうと、確実に出血すること間違いなしです…。そこで、
  2. 硬いものでも容易に切れるスプリング付の剪定ばさみでヒレを全て切り取りました。
    この下処理は、決して忘れないで下さい!!またこの作業に使った鋭利な刃先の剪定ばさみで
  3. 肛門部からエラにかけて切り、内臓を全て取ります。
    内蔵を取った後は、血合いもきれいな水で洗い流してください。

 ブラックバスは…
  • お湯をしっかりかけてから鱗を取り去ってください。
  • 鱗が取れたらヒレを切り、腹を出してからきれいな水で血合いを洗い流します。
  • 頭を落とし3枚に下ろして、適度な大きさに切って下準備は終わりです。
    ブラックバスの胃袋は、切り開いて中を出してからきれいに洗います。
      唐揚げにするとおいしくいただけます。





 ブルーギルも…
同様に熱湯をかけて処理をします。
※この魚は、お湯をかけすぎると鱗を取る際に皮までめくれてしまいます。(注意!)
大きな魚でない限り、鍋に湯を煮立ててその中に10秒ほどくぐらせると同様の処理が出来ます。今回は魚体が小さかったこともあり、おたまに乗せたギルを、沸騰した鍋に入れました。
熱の伝わり方は、目の玉の色とヒレの色が変化したのを見逃さないようにして下さい。
流水をかけながらうろこを取り去り、ぬめりも一緒に洗い流します。この後はお好きに調理してください。
今回はブルーギルとブラックバスの味の比較をするために塩をふり、切り目を入れて焼きました。


 カムルチー/雷魚は…
死んでいるものだと思っていたら、低温だったため眠っていたようで、深い眠りから覚めると、ドタン・バタンと大暴れ!!階段から誰かが落ちたのではないかと思うほどの大きな音でした。
太すぎて握れないうえに、暴れる+体表の粘液でつかむ事さえできません!!
まるでウナギの大親分と言った感じです。
粘液物質はどんな成分かわかりませんが強い粘りがあり、糸を引いて50cm以上垂れても切れないほど粘っていました。

仕方がないので、ナイロン袋の上から石のように頑丈な雷魚の頭に金槌(げんのう)でゴン・ゴンと2発!…おとなしくなった所でエラ下に包丁を入れました。

大きすぎるため開きにするのは容易ではないと判断し、一旦ぶつ切りすることにしました。
包丁が中骨で止まりきれないので、太い骨は先ほどと同様に剪定ばさみで切り、また包丁に持ち替えて切るという作業が続きました。
一旦ぶつ切りにした身は、骨に添ってやっと開きにすることができました。


~味見~
とりあえず、ブルーギル、ブラックバス、カムルチー/雷魚がどのような味の魚か比較するため、塩焼きにしてみました。外来魚試食会に参加した皆さんの感想をまとめました。3種とも白身の魚です。

ブルーギル
塩焼きにすると、一夜干しのカレイのような味です。味はやや淡白。鱈にも似てるかも。
日常的に食べるならバスよりギルという意見もありました。小骨が少し多いです。

オオクチバス
身はしっかりしていて淡白な味。スズキに似ている?プリプリしていてムニエルにももってこいです。油が少し少なめのホッケの味に似ているという感想もありました。

ブラックバスの胃袋
噛みごたえがあっておいしい。
噛みきれない鶏の軟骨のような(コリコリ)、ホルモンのような(ミノの噛みきれないバージョン?!)

カムルチー/雷魚
皆さん大絶賛!!身がしっかりしていて、ちょうどフグ鍋に入れるフグの感じです。
保賀は若い頃に石垣島で食べた天然大ウナギを思い出し、ウナギの蒲焼風にすればきっとうまいだろうなって思いました。鱧よりウナギに近い味です。

ブルーギル・ブラックバス・カムルチー/雷魚は、現在市場に流通していません。
調理済みの魚の味はいずれも悪くはないと言いますが、どうして市場に乗らないのかがわかりませんでした。ですが、調理をしてみれば、日本在来の淡水魚・海水魚と違い、これだけ苦労がいるのだということがわかりました。洗剤で洗っても、消臭剤を部屋にスプレーしても生臭さがとれないとなると、包丁・まな板をふくめ他の料理と一緒にはとてもできません。

生臭さに負けず、みなさんも外来魚料理をしてみてはいかがでしょうか。



         

写真協力:中井 克樹 氏  文:保賀 昭雄


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